風と共に去りぬ(1939)
あらすじ
1861年。アメリカ南北戦争直前のある日、ジョージア州タラで、大園遊会が開かれた。いつもパーティーの女王であったスカーレットは、その日、心に決めていた男性アシュレーと彼のいとこのメラニーの婚約が発表されると聞き怒り悲しんでいた。その夜、ついに南北戦争が勃発し・・・。
感想
もはや説明不要な、南北戦争下の厳しい時代を生き抜いた女性スカーレット・オハラの半生を描いた作品です。タラの夕陽を背景にスカーレットが二度と飢えないと決意するシーンは80年たった今でも語り継がれる名シーンです。このシーンを迎えるまでの前半部分は筆舌しがたい程に芸術作品としても秀でているように思います。。上流社会の優雅な暮らしから一変、南北戦争に突入し生活は苦しくなります。戦火のアトランタは美しく、しかし人々は汚く、非常に緊張感がありました。悲惨な現実を目にしても生きていこうと思えたのはスカーレットの高飛車ともとれる性格あってこそだろうと思います。ただ後半部分に関しては一転してこの高飛車な性格が災いしていたように思います。戦争も終結し、レット・バトラーの下で豊かな生活を取り戻したスカーレットに待っていたのは不運の連続でありました。しかしここでのスカーレットの行動が前半の強さを感じさない程に愚かで、少々首を捻る部分がありました。特に二度目の結婚やバトラーとの第二子については理解し難いです。スカーレットの事ばかり書いたが忘れてはならないのがメラニーの存在です。彼女がスカーレットにアシュレーのことを頼むように言い渡して永遠の眠りにつくシーンには儚く悲しいです。戦後も変わることなく強くあり続けたのは彼女だったのかもしれないですね。総じて前半部分に関しては文句なしに歴史に名を刻む名作であると感じました。余談ですが本作でマミーを演じたマクダニエルは黒人として初めてアカデミー賞を受賞しました。本作で主演を演じたヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルは若くして亡くなっており今でも健在な出演者はもう殆ど残っていません。しかし嬉しいことにメラニーを演じたオリヴィア・デ・ハヴィランドは102歳となった今もパリで健在らしいです。もうスクリーンで彼女の姿を見ることはないかもしれないが末永く生きて欲しいです。彼女について調べて分かったのですが東京出身であり、また現在唯一の兄弟姉妹でアカデミー賞を獲得した俳優であるらしいです。今後彼女の作品を発掘して鑑賞したいと思いました。もう一つ、この映画を撮ったヴィクター・フレミングは同年にオズの魔法使というこれまた歴史に名を遺す名作を監督しています。上映時間は4時間近いが鑑賞することができて良かったと思える映画です。
★★★★★★★★☆☆
監督
シドニー・ハワード
原作
アーネスト・ホーラー
レイ・レナハン
編集
ハル・C・カーン
ジェームズ・E・ニューカム
価格:2,143円
|