Mommy/マミー(2014)
あらすじ
2015年、架空のカナダで起こった、現実——。 とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2ヶ月後、内閣はS18法案を可決する。公共医療政策の改正が目的である。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。ダイアン・デュプレの運命は、この法律により、大きく左右されることになる。
感想
ADHDの息子を持つシングルマザーを描いた映画です。以下ネタバレを含みますので未見の方は注意してください。
息子をのことを愛しているけど現実世界での困窮から逃れられない母親、母親のことを愛しているけど感情を制御できない息子、“私達には愛しかない”という母親の言葉が心に残りました。この映画の面白いところは画面の縦横比の使い方にあると思います。基本的にアスペクト比は1:1で画面が狭いので心苦しいシーンが続きます。スティーブの心の解放とともに画面が広がるシーンが2つあります。OasisとEinaudiの音楽を使ったこの演出は素晴らしく、虚構の解放であっても心躍るシーンです。待ち構える現実が絶望的でも希望を持つことしかできない、愛だけではどうにもならない世界があります。物凄く苦しい映画なのに久しぶりに感情的になれました。選曲のセンスが素晴らしすぎる。
★★★★★★★★★☆
監督
グザヴィエ・ドラン
製作
グザヴィエ・ドラン
ナンシー・グラント
出演者
アンヌ・ドルヴァル
アントワーヌ・オリヴィエ・パイロン
スザンヌ・クレマン
音楽
ノイア
撮影
アンドレ・トュルパン
編集
価格:3,476円
|