炎628(1985)
あらすじ
アインザッツグルッペンをロシア人の少年目線で描く
感想
残忍な描写はないですが、数ある戦争映画の中でも最も感情に訴えかけてくる映画だと思います。
ある日銃を掘り出したことでパルチザンに参加した主人公、最初は少年としての若い顔をしてました。しかし、パルチザンへの参加がドイツ軍に知れ渡り故郷は敵襲を受け、村が焼かれる光景を目にした主人公の顔には少年としての若さはもはや残っていませんでした。常に流れる不気味なノイズ、次第に生気を失っていく主人公、救いようのないストーリー、全てが絶望に向かっています。最後のシーン、主人公はヒトラーの写真が水溜まりに落ちているのを見つけます。写真に向かって銃弾を放つと逆再生の映像が流れ、まだ無垢な少年だった頃のヒトラーが映ります。ヒトラーにも自分と同じ人間の姿を見た主人公は言葉を失います。
次の世代に戦争の歴史を伝えるという点で至宝とも呼べる映画ですが、それと同時に2度と観たくない映画でもあります。鑑賞する際は相当な覚悟を持って挑んでください。この映画の鑑賞後三日は立ち直れないと思います。自分はロシア語の授業が嫌いになりました。
★★★★★★★★☆☆
監督
エレム・クリモフ
脚本
アレクサンダー・アダモーヴィチ
エレム・クリモフ
音楽
オレーグ・ヤンチェンコ
撮影
アレクセイ・ロジオーノフ
出演者
アリョーシャ・クラフチェンコ
オリガ・ミローノワ
U・バグドナス
価格:3,239円 |